思い起こせば24年前、この産院で
私の娘は産声をあげた。
そして、
同じ場所でまた 新しい命が誕生したのだ。
驚くべきは医師だけでなく、
助産婦さんも同じ人である。
お産の主人公は私の娘。
さあ、物語の始まりだ。
ふっ、ふっ はぁぁぁ~
苦痛に歪む顔、垂れるヨダレ。
広がる鼻の穴。
だが、
母になろうとする その顔は美しい。
誰がどう言おうとも美しいのだ。
今、正に新しい命がこの世に
生まれようとしている。
ますます声が高くなって、
助産婦さんが何やら持ってきた。
トング?
ブスッ
いや、音は聞こえないが、
何かを挿入したのは間違いない。
間も無く 破水しましたの声が。
と、言うか突き破ったよね?
「 さあさあ、ガンバレ、ガンバレ 」
ぐぅぅううおおおええええうう
地を這うような声だ。暫くすると、
ス~ ス~
私は思わず助産婦さんを見た。
「 寝てますよね? 」
「 天使の休息です 」
絶え間なくやってくる陣痛。
疲労と睡眠不足で疲れきった体。
最後の力を与える、休みのひと時を
私達は天使の休息って言っているの。
そう助産婦さんが教えてくれた。
眠ってしまう妊婦さんは珍しくないんだとか。
時間にすれば2分くらいだろうか。
再び激しく痛み始める。
陣痛開始から1日半、
入院から20時間、
破水から30分、
やっと頭が出てきた。
みんなの声が一段と大きくなる。
私は娘の頭の後ろに立っている。
そっとアイパッドのビデオのスイッチをいれる。
音声だけでも録音したい。
「 いいよー、今じゃ 」
分娩室に響きわたる先生の声。
「 出るぞー、もっともっと休むな! ガンバレ!
おおおおお、、、出たぞ! 」
ああああぁぁぁ…
娘が泣いている、
私も声をあげて泣いた。
すぐに元気に泣いた赤ちゃん。
分娩室は正に感動の嵐だった。
助産婦さん
「 おばあちゃん、へその緒を切って。」
「 え?私が?出べそになったら困るし」
ハサミを受け取りながら恐る恐る、
ブチンッ
切れた!( °∀°)
布で赤ちゃんを包んで
娘の胸に赤ちゃんを乗せる。
『 ああぁぁぁ~ 』
とにかく 泣いて泣いて嬉し泣きが止まらない。
アイパッドで今度は娘と赤ちゃんを写したい。
僕が撮ってあげるよと先生が言う。
みんなが大泣きしている感動的な動画。。
ありがとう先生、一生の宝物にします。
娘の義母にラインで写メと動画を送った。
ありがとうござますと言って、喜んでくれた。
ああ、疲れた。でも幸せな気持ち。
もう一度写真を見る。
かわいいな。
動画も見てみよう。
えっ!
ええ〜っ!
(・∀・) ケ、毛が!ワカメが総立ちw
先生~~、下の毛が写ってますやん。
ああ、、動画を送ってもうた。( ̄▽ ̄;)
たらり~ 鼻から牛乳~♪
ムスメニハ イエナイ……